開業・創業したばかりの、不安を抱えている方へ
こんにちは、後藤会計事務所の後藤です。
このブログでは、日々のご相談で多いテーマや、
個人事業主・小規模企業の方からよくいただく不安や疑問を、
できるだけわかりやすくお伝えしています。
開業・創業したばかりの個人事業主や社長を見ていると、この人不安でつぶれてしまうんじゃないだろうか?と心配になってくる人もいます。
ただ、その不安も非常によくわかります。
私自身、開業したばかりのころは不安の連続でしたし、無理をして前に進んでいました。
だからこそ、今回の記事では「多くの人はそうなんですよ」「少し肩の力を抜いてみてください」という思いを込めて記事を書いてみたいと思います。
目次
正直に言うと、開業したばかりの頃は私もずっと不安でした
開業したばかりの頃、
「一番不安だったことは何ですか?」と聞かれると、
正直、一つに絞るのは難しいです。
まず、お金。
ちゃんと稼いでいけるのか。
家族を食べさせていけるのか。
それから、判断。
それまで法人という組織に守られていた環境から離れて、
これからは、すべてを自分で決めなければいけない。
自分が動かなければ、何も前に進まない。
でも、世の中には「これが正解です」と書かれた答えはほとんどない。
それでもやらなきゃいけないことは山済みで、進まなきゃいけない。
この感覚は、今でもよく覚えています。
不安なまま進むしかない時期がある
今振り返ると、
私の場合はあの頃の自分を支えていたのは、
「特別な才能」や「明確な正解」ではありませんでした。
それまで積み重ねてきた、薄皮一枚分の努力。
地味で、目立たなくて、でも確かに続けてきたこと。
それが、
「不安だけど、進んでいい」
と思える根拠になっていました。
人によってその根拠は違うでしょうが、がむしゃらに進むしかない時期もあると思っています。
「この人大丈夫かな」と感じる方の共通点
ただ、そうは言っても税理士として多くの創業期の方とお話ししていると、
時々「この人大丈夫かな」と感じることがあります。
それは、能力が低いとか、やる気がないとか、そういうことではありません。
多いのは、
- 思考が整理できていない
- 完璧を目指しすぎている
- 分からないことを、分からないと言えない
創業期は、
資料の揃え方も、
専門家とのコミュニケーションの取り方も、
分からなくて当たり前です。
それなのに、
「ちゃんとしなきゃ」「こんなこと聞いたら恥ずかしいかも」
と、無理をしてしまっている。
この“無理”が、一番心配になります。
あえて、止めた判断もあります
税理士としてお話をしていると、
創業期の方ほど「何かを決めなきゃ」「早く形にしなきゃ」という気持ちが強いと感じます。
それ自体は、とても自然なことです。
自分で選んだ道だからこそ、ちゃんと前に進んでいる実感がほしい。
間違っていないと、誰かに言ってほしい。
だからこそ私は、あえて止めた判断をすることがあります。
たとえば、法人化です。
ネットやSNSを見ると、
「売上が○○万円を超えたら法人化した方がいい」
「法人にした方が節税になる」
といった情報がたくさん出てきます。
もちろん、それ自体が間違っているわけではありません。
ただ、創業期というのは、
- まだ売上が安定していない
- 仕事の波が読めない
- 精神的な余裕が少ない
- 生活と事業がまだ地続き
こういう状態であることがほとんどです。
その中でたまたま個人事業主のスタートダッシュがうまくいったからと法人化をすると、
- 事務手続きが一気に増える
- お金の管理が複雑になる
- 「やめにくい」選択になる
という側面も出てきます。
数字だけ見れば「法人化した方が有利」でも、その方の性格や今の余力を考えると、
「今はまだ個人事業主のままの方が楽に続けられる」
そう感じて、理由を説明して、急がせなかったことがあります。
もう一つ、節税についても同じです。
創業期の方ほど、
「節税しなきゃ」
「何か対策をしないと損をしている気がする」
という気持ちになりやすいです。
でも、節税は本来、
- 無理をしてやるものではありません
- 何かを“無理して買う”ものでもありません
事業の規模や状況に合わない節税をすると、
- お金だけが出ていく
- 本業に集中できなくなる
- 逆に不安が増える
ということも起こります。
実際に私は、
「節税になるから」と大きな買い物をしようとしていた方に対して、
「それは今のあなたには、少しリスクが高いと思います」
とお伝えしたことがあります。
節税は、
今の事業をちゃんと続けられることが前提です。
無理に何かをするより、今の規模に合った形で、
できることを一つずつ積み重ねていく方が、
結果的にうまくいくことが多いと感じています。
創業期は、
「早く決めること」よりも
「間違えにくい選択をすること」の方が大切な場合があります。
私は、何でも前向きに「やりましょう」と言う税理士ではありません。
ときには、
- 今はやらなくていい
- 少し様子を見ましょう
- もう一度整理してから決めましょう
そうお伝えすることもあります。
それは、
慎重すぎるからではなく、
長く続けてほしいからです。
不安があるのは、悪いことじゃありません
不安があるということは、
それだけ真剣に考えているということです。
むしろ、
何も考えずに突っ走る方が、
後で取り返しのつかないことになることも少なくありません。
もし今、
- これで合っているのかな
- 誰かに一度聞いてみたいな
- でも、相談するのはちょっとハードルが高いな
そう感じているなら、
それはとても自然なことです。
最後に
このブログを読んで、
少しでも「自分だけじゃないんだ」と思ってもらえたなら、
それだけで十分です。
無理に急がなくていい。
完璧じゃなくていい。
分からないままでも、進んでいい。
そんなふうに、
少し安心してもらえることが、
この記事の一番の目的です。


