税理士に丸投げ vs 記帳代行会社|どっちが正解?違いと失敗しない選び方を税理士が解説

こんにちは、後藤会計事務所の後藤です。


このブログでは、日々のご相談で多いテーマや、個人事業主・会社経営者の方からよくいただく不安や疑問をできるだけわかりやすく整理してお伝えしています。

今回は、「税理士に丸投げ」と「記帳代行会社」、どっちが正解?というテーマで解説してみたいと思います。

  • 経理を丸投げしたい
  • 税理士と記帳代行会社、どちらに頼むべきか迷っている
  • 何を重視して選べばいいかわからない

そんな方に向けて、実務の現場にいる税理士の立場から、正直にお話しします。


よくあるお悩み:「結局、どこに頼めばいいの?」

「記帳代行会社って結構安いですよね?税理士に頼むと高いですか?」
「正直、違いが分からなくて…」

記帳代行を依頼したいお客様のお話を聞いていると、売上が1,000万円を超えた頃から、こうした悩みが一気に増えているなという印象を受けます。

事業が成長すると、経理のミスや税務リスクが気になり始め、自分で仕訳を記帳するのは限界を感じ始めてアウトソースを検討する人が多くなります。

ただ、記帳代行のサービスを提供しているのは大きく「記帳代行会社」、「税理士事務所」に分かれるので結局どっちに依頼したらよいのか判断がつかずに悩んでいる人が多いのだと思います。

この点に関して結論から言ってしまえば「人による」「ケースによる」という身も蓋もない答えになってしまいます。

だからこそ、自分はどっちを選んだらよいのか、自分のケースはどうなのかを考えることが非常に大切です。

以下で詳細を解説していこうと思います。


なぜ「記帳を丸投げしたい人」が増えているのか?

まずは記帳代行をうっすら考えている人も、本気で探している人にも参考になるように、そもそもの原因として「経理を丸投げしたい人」が増えている理由をお伝えします。

何より大きな理由は、近年の経理・税務を取り巻く環境の急激な変化です。

  • インボイス制度
  • 電子帳簿保存法
  • 年収の壁の変動
  • 消費税制度の複雑化
  • デジタル化の進行

あげたらきりがないほど税制や会計まわりのルールは複雑化し変動のペースも早くなっています。
リソースのある大企業ならまだしも個人事業主・中小企業にとっては、これらに加え、本業の忙しさも重なり、「もうプロに任せたい」と考える方が増えています。

これに加えて、アウトソースの文化が浸透してきており、自分の専門外の分野、苦手な分野は専門家に任せて、なんでも自分で抱えるのはやめようという考え方の変化も後押ししているように感じます。コスパ重視、タイパ重視ともいえるかもしれません。


記帳代行会社とはどんなサービスか?

税理士事務所の記帳代行と比べるにあたって、まずは記帳代行会社のサービスがどのようなものかを解説したいと思います。記帳代行会社は、その名のとおり記帳の代行つまり、経理入力に特化したサービスです。

  • 領収書入力
  • 通帳入力
  • 会計ソフト入力

こういった業務を事業主や企業に代わって行うことで人手のかかる部分を代行してくれるサービスです。

メリット

  • コストは安い傾向がある
  • 納期も比較的早い
  • 気軽申し込みやすい

注意点

  • 判断は基本的にしてもらえない
  • 税金の相談ができない

税理士に丸投げするとはどういうことか?

税理士に丸投げし顧問まで付帯すると、以下のようなメリットが考えられます。

メリット

  • 記帳
  • 税務判断
  • 申告
  • 相談

まで一体で対応される。一気通貫性が保たれやすい。

つまり「経理+税務+相談」がセットになります。

注意点

  • 変更しにくい
  • 相性による差がすごい
  • コストが高い

基本的には、クリック一つでのように申し込めるものではないですし、税理士と話し合いをしたうえで方針を決めていくため上記のような注意点が考えられます。


【重要】税理士に頼むなら「記帳+顧問」でないと意味がない理由

ここは、ぜひ知っておいてほしいポイントです。

税理士事務所に記帳を頼む方法として、多くの事務所で「記帳のみ」「顧問契約+記帳」というプランが用意されています。
(税理士事務所に依頼する以上、申告も税理士に頼む前提になることが多いです。)

私は、税理士事務所に「記帳だけ」頼むのは、あまりおすすめしません。
ケースによりますが、税理士事務所に「記帳のみ」で依頼するより、記帳代行会社の方がコスト面で合理的な場合は多いと思います。

税理士事務所に記帳だけ頼むと、

  • 事務員が入力
  • 税理士はほぼ関与しない

という形になりやすくなります。

これでは、記帳代行会社と大きな違いがありません。


税理士+顧問がセットになると何が違うのか?

顧問契約がある場合、

  • 事務員が記帳
  • 税理士がレビュー
  • 税務視点でチェック
  • 必要に応じて修正
  • 気づいた点をフィードバック

という流れになります。

つまり、「税務の目線が入った記帳」になるということです。

このレビューがあるからこそ、

  • お客様からの質問に答えられる
  • こちらからアドバイスできる
  • ミスを未然に防げる

につながります。


記帳代行会社と税理士の違いを比較

あくまで私の独断と偏見のイメージですが、表にまとめると以下のような違いがあるかと思っています。

項目記帳代行会社税理士
記帳入力
依頼のしやすさ◎◎×~◎
スピード
税務判断・相談×
経営相談×○〜◎
費用△~○
安心感

よくある失敗例

  • 「記帳代行会社で申告までしてもらえると思っていた」
  • 「税理士に頼んだけれど顧問ではないので税務相談は別料金だった」
  • 「結局自分が当初想定していたような安心感は得られなかった」

これらのほとんどが最初の認識不足が原因です。だからこそ、記帳代行会社であればサービスの内容を良く読むこと。
税理士事務所に依頼を検討する場合には、可能な限り初回の面談をして双方の認識をすり合わせること。
(初回の面談は無料で実施している事務所も多くあります)
表面の料金だけではなくて、自分が望むものと解決したい悩みに対応しているかまで考えて比較すること。

こういったことが重要になってくると思います。

私自身、個人事業主の方と日々お話しする中で、「何が分からないか分からない」という不安をよく伺います。

その状態でいきなり判断するのは難しいので、まずは整理するところから一緒に進めていくことが大切だと感じています。



正直に言うと、記帳代行で十分な方もいます

なるべくポジショントークにならないようにフラットにお伝えすると、すべての方に税理士が必要なわけではありません。
記帳代行のみで十分な人もおり、記帳代行会社へ依頼する方が合理的なケースもあります。

例えば、

  • 税務知識がある
  • コスト最優先
  • 相談は不要
  • 売上が小さい

こうした方には、記帳代行は合理的だと思います。
そして、


税理士に任せたほうがいい人の特徴

一方、次のような方は税理士向きです。

  • 税務が不安など不安感が強い
  • 経営や税務の相談をしたい
  • 事業のパートナーとして長く付き合いたい

料金感について(目安)

あくまで目安ですが、個人事業主でそれほど仕訳数が多くない場合、記帳代行会社の場合の記帳代行料金は月額1万円程度が多いかなと思います。

一方、税理士事務所の場合はさらに千差万別なので弊所の例を出すと、

  • 個人:月1万円台〜+申告料
  • 法人:個人の1.5~1.7倍程度

このようなイメージです。ざっくり売上1,000万円未満の個人事業主の場合、顧問(記帳代行込み)+申告料の合計で23万円程度~になります。

申告料が入っているので単純比較はできませんが、12万円に対して23万円。申告料を除いてもやはり金額的には弊所の方が数万円高額になります。



一番大事なのは「相性」です

ここまで、記帳代行会社と税理士に記帳代行を依頼した場合の違いについて記載してきました。

ここで、一つ確信を持って言えることは、記帳代行会社を選ぶ場合も、税理士を選ぶ場合も、一番大事なことは相性だということです。

話しやすさ・レスポンス・姿勢。ここが合わないと、長く続きません。

誰にとってもマッチするものはないので、私だって誰かにとって良い税理士でも、誰かにとっては合わない税理士になります。
このミスマッチを防ぐには、依頼の前に問い合わせや、実際に話してみて判断することが何よりです。

webページの雰囲気、問い合わせへの対応、電話やWebもしくは対面での実際の雰囲気。



まとめ

シンプルにまとめると以下の通りです。

・入力作業だけを外注したい方 → 記帳代行会社
・税金や経営も含めて安心して任せたい方 → 税理士+顧問

そして、どちらを選ぶにしても「相性」が最重要です。

迷っている場合は、一度税理士に相談してみることをおすすめします。
ご自身の状況を整理したうえで、記帳代行が合っているのか、税理士が必要なのかを一緒に判断することも可能です。

「自分の場合はどっちが合っているのか分からない」という方は、弊所へもお気軽にご相談ください。

状況をお伺いしたうえで、記帳代行が良いのか、税理士が必要なのかも含めてフラットにお話しさせていただきます。

経理と税金は、事業の土台です。土台が安定すれば、経営は楽になります。

この記事が事業者、経営者の参考になれば幸いです。