個人事業主はいつ税理士に相談すべき?売上700万〜900万円が見えてきたら考えたいポイント
こんにちは、後藤会計事務所の後藤です。
このブログでは、日々のご相談で多いテーマや、個人事業主・会社経営者の方からよくいただく不安や疑問を、できるだけわかりやすく整理してお伝えしています。
個人事業主の方からよくいただくのが、
「税理士って、いつ相談すればいいんですか?」
というご質問です。
結論からいうと、税理士は開業した瞬間から必ず必要、というわけではありません。
最初のうちは自分で会計ソフトを触りながら、なんとかやっていける方もいます。
ただ、ある程度事業が動き始めると、
「もう自分だけで抱えるのはしんどい」
というタイミングが来ます。
私の実感では、個人事業主の方が税理士への相談を考えたい一つの目安は、売上700万〜900万円が見えてきた頃です。
もちろん、これは絶対の基準ではありません。
業種や利益率、取引の複雑さ、本人の得意不得意によって変わります。
ただ、このあたりの売上になってくると、
- 記帳の手間が重くなる
- 消費税が気になり始める
- 法人化を考え始める
- 自分でやることの限界を感じやすくなる
といったことが増えてきます。
この記事では、個人事業主が税理士に相談するタイミングについて、実務ベースで整理してみます。
目次
- 1 結論:こんな状況なら、一度相談を考えたいタイミングです
- 2 個人事業主が税理士に相談したいタイミング① 売上が伸びてきたとき
- 3 個人事業主が税理士に相談したいタイミング② 記帳が追いつかなくなってきたとき
- 4 個人事業主が税理士に相談したいタイミング③ 消費税が気になり始めたとき
- 5 個人事業主が税理士に相談したいタイミング④ 法人化が気になり始めたとき
- 6 個人事業主が税理士に相談したいタイミング⑤ なんとなく不安が強くなってきたとき
- 7 逆に、まだ税理士に依頼しなくてもよいことが多いケース
- 8 それでも、専門家に任せる意味は大きいです
- 9 税理士に依頼するメリットは「申告して終わり」ではありません
- 10 どこの税理士でもいいわけではありません
- 11 まとめ|迷ったら、少し早めの相談がおすすめです
- 12 個人事業主の方からのご相談を受けています
結論:こんな状況なら、一度相談を考えたいタイミングです
先に結論をまとめると、次のような状況なら、税理士への相談を一度考えてみてよいと思います。
- 売上が伸びてきた
- 記帳が追いつかなくなってきた
- 経費の判断に毎回迷う
- 消費税が気になり始めた
- 法人化を考え始めた
- 今までなんとなく自分でやってきたけれど、不安が強くなってきた
特に、売上700万〜900万円が見えてきて、記帳や申告に使う時間がしんどくなってきた方は、一つの相談目安だと思います。
税理士に依頼するかどうかは、相談してから決めれば大丈夫です。
でも、悩みが大きくなってからより、少し早めに整理した方が、結果的にはラクなことが多いです。
個人事業主が税理士に相談したいタイミング① 売上が伸びてきたとき
私が一番お伝えしたいのは、ここです。
個人事業主の方は、売上が小さいうちは、まだ何とか自分で回せることもあります。
ただ、売上が伸びてくると、単純にお金の動きも増えますし、考えることも増えます。
しかも、個人事業主の方って、みなさんそれぞれ本業の専門家なんですよね。
たとえば、内装業の方なら現場の段取りや施工が本業ですし、IT系の方なら開発や提案、納品が本業です。
美容、飲食、物販、コンサル、配信、デザイン、いろいろな業種がありますが、皆さんそれぞれの仕事で価値を出しています。
その状態で、売上が伸びてきたのに、記帳や申告のことまで全部自分で抱え続けるのは、かなり負担が大きいです。
もちろん、頑張ればできる人もいます。
でも、売上が増えてきた段階では、
自分で全部やることのメリットが、だんだん少なくなっていく
ことが多いです。
その時間を本業に使った方が、結果的に事業が伸びる。
私はそういうケースをたくさん見てきました。
個人事業主が税理士に相談したいタイミング② 記帳が追いつかなくなってきたとき
「そろそろ相談した方がいいかも」と感じるサインとして、とてもわかりやすいのが、記帳が追いつかないという状態です。
たとえば、
- 複数の口座やカードがあって、何が何だかわからなくなる
- 領収書やレシートがたまっていく
- 会計ソフトを開くのが後回しになる
- 経費の判断に毎回迷う
- たまったレシートの束を前に、げんなりする
こういう状態ですね。
この段階まで来ると、「まだ自分でできるかどうか」よりも、すでにかなり消耗していることが多いです。
記帳って、1回ためると、ますます心理的なハードルが上がります。
その結果、確認や整理がさらに遅れ、余計にしんどくなる。
この流れに入ってしまう方は少なくありません。
もし今、「できなくはないけど、正直つらい」と感じているなら、それは十分、相談を考える理由になります。
個人事業主が税理士に相談したいタイミング③ 消費税が気になり始めたとき
売上が伸びてくると、次に気になってくるのが消費税です。
消費税は、所得税と比べても、「なんとなく」で判断すると危ない場面が出やすいです。
- 自分はいつから課税事業者になるのか
- インボイス登録はどう考えるべきか
- 簡易課税を検討した方がいいのか
- 2割特例が使えるのか
- 今のうちに何を確認しておくべきか
こうしたことは、後から慌てて調べるより、少し前の段階で整理しておいた方がずっと動きやすいです。
特に消費税は、
後からでは選べないこと、前もって考えておいた方がよいこと
が出てきやすい分野です。
「まだ大丈夫だと思っていたら、思ったより早く関係してきた」
というのは本当によくあります。
売上が700万〜900万円くらい見えてきた段階で、消費税が少しでも気になり始めたなら、
一度専門家に状況を見てもらう意味は大きいと思います。
個人事業主が税理士に相談したいタイミング④ 法人化が気になり始めたとき
法人化も、早めに相談した方がよいテーマの一つです。
「売上いくらなら法人化すべきですか?」
というご質問はよくありますが、実際には、数字だけで決まるものではありません。
たとえば、
- 利益がどのくらい出ているか
- 今後どれくらい伸ばしたいか
- 家族(プライベート)の状況
- 社会保険をどう考えるか
- どんな働き方をしたいか
- 将来的に人を雇うのか
- どこをゴールにするのか
こうしたことによって、答えは変わります。
つまり、法人化は
制度だけの話ではなく、その人の事業と人生設計の話
でもあるんですね。
だからこそ、「法人化した方が得かどうか」をギリギリで考えるより、
少し前のタイミングで、
- 自分の場合はどう考えるべきか
- 何を目安にしたらよいか
- どんな準備が必要か
を整理しておくと、かなり動きやすくなります。
目標がはっきりすると、事業の見え方も変わってきます。
個人事業主が税理士に相談したいタイミング⑤ なんとなく不安が強くなってきたとき
税務の相談って、必ずしも「明確なミスがあったとき」だけではありません。
- この処理で合っているのか不安
- 青色申告のやり方に自信がない
- 経費にしてよい範囲があいまい
- いまのやり方で大丈夫なのか、ずっとモヤモヤしている
こういう状態なら、それも十分相談のタイミングです。
実際、今まで何となく自分でやってきた方が、あとからご相談に来られるケースは多いです。
そして、そのときに内容を拝見すると、大きくは間違っていなくても、
- ちょっともったいない処理
- 逆に攻めすぎていて心配な処理
- 細かいズレ
- なんとなくで続いてしまっている処理
が混ざっていることは少なくありません。
ご本人としては真面目に頑張っているんです。
でも、独学にはどうしても限界があります。
ですので、「何か変なことをしてしまったかも」と深刻になる前に、
今のやり方で大丈夫そうか確認するための相談
として使っていただいてもよいと思います。
逆に、まだ税理士に依頼しなくてもよいことが多いケース
ここは誤解なくお伝えしたいところです。
全員がすぐ税理士に依頼すべき、というわけではありません。
たとえば、
- 売上や利益がまだ小さい
- 取引もそこまで複雑ではない
- 簿記や会計ソフトに抵抗がない
- 数字を見ることが苦ではない
- 自分で勉強しながら、ある程度整理して進められる
こういう方であれば、最初は自分でやってみるのも十分ありだと思います。
実際、個人事業主で小規模であれば、
最初は自分でやってみて、途中で「やっぱり無理だな」「これは時間がかかりすぎるな」と感じたタイミングで依頼する、という考え方も自然です。
また、売上や利益がまだ小さい段階では、税理士に依頼することの効果や節税効果も、相対的にはそこまで大きくないことがあります。
ですので、
- 規模がまだ小さい
- 自分でもある程度できる
- 今は本業の方にそこまで支障が出ていない
という場合には、無理に急がなくてもよいケースもあります。
ただ、開業したばかりで「まずは自分でやってみよう」と考える方にも、独立1年目には独特の注意点もあります。
→ 会社員から独立した人がつまずく“確定申告”の落とし穴
それでも、専門家に任せる意味は大きいです
ここは、個人事業主の方にぜひお伝えしたいところです。
記帳や申告は、頑張れば自分でもできます。
でも、できることと、専門家に任せた方がいいことは別です。
たとえば、内装の壁紙って、素人でも貼れないことはありません。
DIYも流行っていますし、実際にやってみることもできます。
でも、プロがやるのと同じかというと、やっぱり違います。
スピードも、仕上がりも、判断の細かさも違うはずです。
(私もDIYでリビングの壁紙を全部張ってみたことがありますが、、二度とやらないと思いました。年数が経った壁紙は、貼るより剝がす作業の方がよっぽど大変なんてことはやる前は知らなかったです。。)
また内装に限らず、大工仕事もそうですし、電気工事のように資格や専門性が必要な分野はなおさらです。
料理だって、家庭料理とプロの料理は、どちらも価値はありますが同じではありません。
それに弊所のお客様もおっしゃっていたのですが、素人のDIYは、プロから見るとヒヤッとすることがあるそうです。
一見きれいにできているようでも、道具の使い方や安全面、細かい仕上がりなど、専門家から見ると気になる点が出てきます。
会計・税務もまたしかりです。
形だけ申告することはできても、
その内容が本当に適切か、もったいないことがないか、攻めすぎていないか、将来に向けて無理のない形か、というのは別の話です。
餅は餅屋、という言葉は、こういうときにとても当てはまると思います。
そして、個人事業主の方にとって一番大きいのは、自分の専門分野に時間と集中を戻せることです。
事業を伸ばせる方ほど、そこに専念した方が強いです。
税理士に依頼するメリットは「申告して終わり」ではありません
税理士に依頼するメリットは、単に申告書を作ってもらうことだけではありません。
たとえば、
- 記帳の手間が減る
- 経費判断の迷いが減る
- 税務上の不安が減る
- 相談相手ができる
- 消費税や法人化のタイミングを考えやすくなる
- 青色申告の要件を満たしやすくなる
- 本業に専念しやすくなる
といったことがあります。
特に、顧問契約(記帳代行込み)と申告まで含めて任せる形であれば、単なる「作業の外注」ではなく、
安心感と判断のサポートをまとめて買うイメージに近いと思います。
記帳や申告を外注すると、実際にどんなメリットがあるのかを詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→ 税理士と顧問契約で記帳代行も丸投げする7つのメリット
「税理士と記帳代行会社の違いがよくわからない」という方は、こちらの記事も参考になります。
→ 税理士に丸投げ vs 記帳代行会社|どっちが正解?
しかも、税理士費用は必要経費にもなります。
もちろん、何でも頼めば得という単純な話ではありません。
でも、事業が伸びてきた個人事業主の方にとっては、「自分で頑張り続ける」よりも、専門家と組んだ方が全体としてプラスになることはかなり多いです。
どこの税理士でもいいわけではありません
ここは、あえて少しはっきり書きます。
個人事業主、小規模企業は、税理士業界の中では軽く扱われてしまうことが実際にあります。
税理士にもいろいろな考え方や事務所の運営の方針があり、例えば大企業をメインに扱っているような事務所・法人だと、
小規模企業や個人事業主へのリソースが構造的に少なくなったり、ミスマッチが起きてしまうということがあります。
- ちゃんと時間を取ってもらえない
- 話をよく聞いてもらえない
- 税理士本人ではなく、資格のないスタッフとしか話していない
- 質問しても返事が遅い、または返ってこない
- 質問すると高圧的な態度でそれ以上聞けない
こうした不満を伺うことは、実際にあります。
でも、売上700万〜900万円くらいある個人事業主の方って、本当はかなりポテンシャルがある方が多いんです。
事業にちゃんと専念できれば、もっと伸びる余地がある方も少なくありません。
だからこそ、個人事業主の方ほど、
自分に合った信頼できる税理士とタッグを組んでほしい
と私は思っています。
小さい事業だから適当に扱われていい、ということはありません。
むしろ、これから伸びていく大事な時期だからこそ、ちゃんと見てくれる相手を選んでほしいです。
まとめ|迷ったら、少し早めの相談がおすすめです
個人事業主が税理士に相談するタイミングは、人によって違います。
ただ、私の実感では、次のような状態なら一度相談を考える価値があります。
- 売上700万〜900万円が見えてきた
- 記帳が追いつかない
- 経費判断に迷う
- 消費税が気になり始めた
- 法人化を考え始めた
- なんとなく不安が強くなってきた
反対に、売上や利益がまだ小さく、自分でもある程度対応できている方なら、最初は自分でやってみるのも自然です。
ただ、少しでも
「このままで大丈夫かな」
「そろそろ限界かも」
と感じているなら、早めに相談しておく方が、結果的にラクなことは多いです。
依頼するかどうかは、相談してから決めれば大丈夫です。
まずは、自分の今の状況を整理するところからでも構いません。
個人事業主の方からのご相談を受けています
売上が伸びてきて記帳が大変になってきた方、
消費税や法人化が気になってきた方、
今のやり方で大丈夫か不安な方は、お気軽にご相談ください。
後藤会計事務所では、個人事業主の方からのご相談について、
「否定から入らない」「寄り添う」「家族や友人がされたら嫌なことはしない」
を大切にしています。
「まだ依頼するほどではないかも」と迷う段階でも大丈夫です。
今の状況を整理しながら、一緒に考えていければと思います。
「相談したいけれど、まずは費用感を知っておきたい」という方は、個人事業主向け料金表もご覧ください。
→ 個人事業主向け料金表はこちら


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